Carraraのシェーダは強力だけれど不便です。
DAZ Studioのサーフェイス選択ツールやグループ設定の便利さに慣れると、殊更感じます。

01Skull Cove CompleteをCarraraに読み込んだ時のシェーダです。
多すぎて表示できないところにもズラズラあります。

02「Consolidate Duplicate Shaders(複製シェーダを統合)」で、数はだいぶ減らせました。
Skull Cove Completeのご紹介記事の下の方で行っている、トゥーンレンダリング(Toon!Pro)設定時の画像です。

Toon!Proは一括設定があるけれど、マルチシェーディングドメインで1つにまとめられた各シェーディングドメインには、適用されないものの方が多かったです。適用成功したのは1割くらい。
結局1個ずつ開いては(しかも鈍い)プルダウン…、なんて面倒くさいのだろう。

バンプの振幅も500になっていて効き過ぎている状態。
これを直すのもかなりの手間です。
もうやっていられない。
知らないだけで、きっと何か方法があるはずだと探していたら、

Multi-Shader Editor
Advanced Shader Tweaker

というプラグインで、なにやら一括設定ができるらしい。
作者のFenricさんのサイトhttp://fenric.com/wordpress/で個別販売していました。
この方のプラグインは大抵買っていたのに、サイトがあるなんて初めて知りました。
DAZではShader Power Tools for Carraraというパッケージで、いろいろバンドルしての販売。$39.95
本家より0.05ドル安いです。セールでもしていないと、ちょっとお高いです。

よく見ていくと、Fenricさんのサイトではトライアル版がダウンロード出来ました。
機能制限なし、制限時間は起動後10分。Carrara起動の度に警告が出ます。
Shader Power Tools for Carrara以外の、DAZで売られているFenricさんプラグインにはトライアル版がありません。
DAZで買うときは、説明も少ないし、いつも博打だったよ。
なので試用できるのは、とてもとてもありがたいです。

Shader Power Tools for Carraraに入っているプラグインをすべて試してみましたので、
今後のために使用感と操作法をメモしておきます。
各プラグインは勝手に日本語化しています。
プラグイン名の横の金額は、Fenricさんサイトでの価格です。

■ Advanced Shader Tweaker $10.00
Advanced Shader Tweakerインスタンスからオブジェクトを選択して、
Editメニュー > Fenric > Advanced Shader Tweaker
選択したオブジェクトに関係するシェーダすべての、ハイライトやバンプなどの「数値」を一括設定できます。

Shiftキーを押しながらAdvanced Shader Tweakerを起動すると、「テクスチャフィルタ」モードになり、テクスチャフィルタリング項目の
"Fast Mip Map(高速ミップマッピング)"
"Sampling(サンプリング)"
"Gaussian Filtering(ガウスフィルタリング)"
だけを一括で指定します。

"Remove color multiply(カラーの乗算を削除)"にチェックを付けて実行すると、下で紹介している「Shader Doctor」と同じ効果があります。

Carraraはデフォルトで"Fast Mip Map(高速ミップマッピング)”になっています。
テクスチャを最適化するらしいのですが、テクスチャがボケます。バンプが荒くなります。
これを手作業でプルダウンメニューから選んで変更するのが、ものすごい手間。
DAZフォーラムでも怒っている人がいらっしゃったです。

私が一番綺麗かなと思って選ぶ"Summed Area Table(合計領域テーブル)"が入っておらず、
また指定できるのはカラーチャンネルのみで、バンプチャンネルはできないのです。残念。


■ Multi-Shader Editor $10.00
Multi-Shader EditorAdvanced Shader Tweakerがすべてのシェーダに実行されるのに対し、こちらは選択したシェーダにのみに適用されます。
アセンブルルームからシェーダを選択し(複数選択はShiftキーを押しながら選択)
Editメニュー > Fenric > Multi Shader Editor
マルチチャンネルに対応し、1つずつシェーダを設定していくのと同じように、テクスチャの指定や数値の指定が細かく出来ます。
"Set Bump Amplitude(バンプの振幅を設定)"の値は、1~100の%指定です。

変更できるのはカラー・ハイライトなどの各チャンネルのみで、トップシェーダの変更はできないです。
これができたら神…なのに…。
よって残念ながらYAToonなどの一括適用は無理でした。


どちらのプラグインも、一度実行したら「元に戻す」が出来ないので、適用は慎重に。
とくに、テクスチャを一括で剥がしてしまったら大変です。
全部同じテクスチャなら一括指定できるけれど、違うテクスチャなら1つずつやっていかないと…。
手間が半端ないです。


■ Poser Shader Doctor $10.00
Shader DoctorとSkin Doctorのセット。

[Shader Doctor]
Shader Doctor“multiply(乗算)”や “add(加算)”を削除して最適化し、シェーダツリーをスッキリさせてくれます。
スッキリ…だけれど、今回試したこの場合、
ハイライトのテクスチャが消えているような…。

[Skin Doctor]
Skin-DoctorPoserやGenesis系フィギュアの肌・瞳シェーダーを最適化してくれます。
バンプがなければカラーのテクスチャマップからコピーし、ハイライトやSSSが自動で設定されます。

なぜCarraraでフィギュアを読み込むと、DAZ Studioでは付いていたバンプが消えるのだろう。
ちなみにCarraraの購入特典で、V5・M5のCarrara用シェーダーが付いて来ます。


■ Layer Blending Mode Shader $5.00
Layer Blending Mode ShaderPhotoshopライクのレイヤー合成ができるようになるプラグイン。
Carraraは複雑な合成が可能だけれど、Photoshop宛らに扱えるのはお手軽です。
左の画像では、「Difference(差の絶対値)」で以下の二枚のテクスチャを合成したところです。
top bottom

英語だとわかりづらいので日本語化させましたら、動作せず。
動作はするのだけど作用しない状態。うーん、試用版というのは関係ないよね…?
ここにレイヤーブレンドモードの日本語を書いておきます。

Blending Mode Add[加算]
Subtract[減算]
Difference[差の絶対値]
Multiply[乗算]
Divide[分割]
Darker[比較(暗)]
Lighter[比較(明)]
Average[平均]
Dissolve[ディザ合成]
Screen[スクリーン]
Overlay[オーバーレイ]
Soft Light[ソフトライト]
Hue[色相]
Saturation[彩度]
Luminosity[輝度]


■ Enhanced Color Shaders $5.00
Enhanced Color BalanceとEnhanced Color Mergeのセット。
こちらもわかりづらいので日本語化しましたところ、作用せず…。
英語を覚えるしか…ない。

[Enhanced Color Balance]
Enhanced Color Balanceカラーバランスを調整するプラグイン。
レッド、グリーン、ブルー、色相、明度、彩度を調整します。
テクスチャを直接弄らなくても調整ができるところが便利です。
topこのテクスチャを弄ってみました。

カラーテクスチャの漫画背景用モノクロ化は、テクスチャを改めて作らずともこれで行えますね。
単純なモノクロ化はLayer Blending Mode Shader、
調整が必要ならEnhanced Color Balance、といったところでしょうか。

[Enhanced Color Merge]
Enhanced Color Mergeカラーを合成して新しい色を作るプラグイン?
意味も使い方もよくわからない…。




Shader Power Tools for Carrara■ Shader Power Tools for Carrara
 Shader Doctor
 Skin Doctor
 Advanced Shader Tweaker
 Multi-Shader Editor
 Layer Blending Shader
 Enhanced Color Balance Shader
 Enhanced Color Merge Shader
のセットです。
作者さんのサイトで全部買うより0.05ドル安いです。